硫化水素実験

中学校の理科の授業で、硫化水素を発生させる実験後に体調不良になる生徒が相次ぎ、救急搬送されるケースが増えているそうです。
中学2年の理科の内容で「鉄と硫黄が結びつく変化」の実験です。
【実験】
1.鉄粉と硫黄の粉末を混ぜ合わせる
2.混合物を加熱する
3.熱する前と熱した後の物質を調べる
Fe + S → FeS
という化学反応が起こり硫化鉄が生成します。磁石を近づけたときの引き付ける力に違いが生じます。これは、磁性のある鉄が磁性のない硫化鉄へと変化したためです。
問題の硫化水素が発生する実験は、中学の内容では応用で弱酸の遊離実験となります。
生成した硫化鉄に強酸の塩酸を加えると下記の化学反応式のように弱酸の硫化水素が遊離するのです。
FeS + 2HCl →H2S + FeCl2
硫化水素は温泉地で嗅ぐ卵が腐ったような臭いがします。温泉地のように低濃度では危険はありませんが、高濃度になると危険が生じます。
実験中では、十分に喚起を行い、発生する気体を吸い込まないようにすることが必要です。