未定係数法

複雑な化学反応式では反応式の係数まで覚えておくことは難しい。そのとき、係数を決定できる方法が未定係数法だ。

アンモニアの実験室での生成は、NH4 (塩化アンモニウム)に Ca(OH)2 を混合して加熱する方法が用いられる。

このときの化学反応式は
\(a\) NH4 + \(b\) Ca(OH)2 → \(c\) CaCl2 + \(d\) H2O + \(e\) NH3

このように、各化学式の係数を未知数として両辺の各原子の数が等しくなるように連立方程式を立てればよい。

N: \(a=e\)・・・①
H: \(4a+2b=2d+3e\)・・・②
Cl: \(a=2c\)・・・③
Ca: \(b=c\)・・・④
O: \(2b=d\)・・・⑤

ここで、\(a=1\) とすれば
\(b=\frac{1}{2}\), \(c=\frac{1}{2}\), \(d=1\), \(e=1\)
化学反応式の係数は整数であるから
すべて2倍して
\(a=2\), \(b=1\), \(c=1\), \(d=2\), \(e=2\)
よって
2 NH4 + Ca(OH)2 → CaCl2 + 2 H2O + 2 NH3
と完成する。