酸素の発見

ジョーゼフ・プリーストリーはイギリスの科学者で「酸素」の発見者といわれています。1771年当時、燃焼についてはフロギストン(燃素)説が主流でした。
フロギストン説とは、燃焼とはフロギストンという物質の放出の過程である、という考え方です。現在では、燃焼とは空気中または酸素中で光や熱の発生を伴いながら、比較的激しく酸素と反応する酸化反応のことと定義されています。

プリーストリーは下記の実験を行います。

▶実験1
① ハッカの小さな枝をロウソクとともに透明な密閉された空間に入れた
② ロウソクは空気を燃焼しつくして間もなく消えた
③ 27日後、消えたロウソクに火をつけるとよく燃えた

植物は空気の組成を変えることを発見

▶実験2
① ネズミを空気の入ったビンの中に入れる ⇒ 死ぬ
② 植物と一緒に閉じ込めたネズミ ⇒ 生き残る

二つの実験よりプリーストリーは、呼吸する動物や燃えているロウソクが消費する物質を植物が空気中に復活させるという理論を導きました。

この物質が後にフランスの科学者ラボアジェによって『酸素』と命名されました。ラボアジェは当時のフロギストン説を退け、燃焼を酸素との結合と説明しました。

ラボアジェは、化学反応の前後では質量は変化しない、という質量保存の法則の発見者でもあり近代科学の父とも称されています。