3 先生と太郎さんと花子さんの次の会話を読んで, あとの(1)~(3)の問いに答えなさい。

(先生と太郎さんと花子さんの会話)
先生:
下の図1の△ABCは, ∠ABC=66°, ∠BAC=90°の直角三角形です。
△ABCを直線 \(l\) にそってすべらないように転がしていくことを考えましょう。
下の図2のように, 点Aを中心に回転させたとき, もとの位置の三角形を△AB’C’とすると, △ABCの頂点Bが, △AB’C’の辺B’C’上にくるときがあります。

太郎:
先生, このときの∠BAB’の大きさは(ア)なので, 図2の△ABCの点Aを中心に時計回りに(ア)だけ回転運動させたことになります。

図1

図2

先生:
よく気がつきましたね。では次に, 下の図3のように△ABCをAB=ACの直角二等辺三角形にして, 同じように転がしていくことを考えましょう。

図3
図4

太郎:
上の図4のように, 直線 \(l\) と辺BCが平行になるときがあります。

花子:
このとき, 点B, Cから直線 \(l\) に垂線をひき, 直線 \(l\) との交点をそれぞれD, Eとすると, △ADB≡△AEC が成りたちそうね。

先生:
では、花子さん, 黒板に証明を書いてください。

花子:
はい。次のように証明できます。
(花子さんの証明)

先生:
そのとおりです。よくできましたね。
さらに, 図3の直角二等辺三角形ABCを, 下の図5のように, 直線 \(l\) にそってすべらないように, 点Bが再び直線 \(l\) 上にくる斜線の図形の位置まで転がしていくことを考えましょう。

太郎:
点Bが動いた跡にできる線と直線 \(l\) とで囲まれた部分の面積はどうなるのかな。

先生:
では, AB=AC=3cm として, 面積を求めてみましょう。

太郎:
はい。面積を求めると( ウ )cm2 になりました。

先生:
そのとおりです。よくできましたね。

図5

(1) 会話中の( ア )に当てはまる角の大きさを求めなさい。

(2) 会話中の( イ )に当てはまる証明を書きなさい。

(3) 会話中の( ウ )に当てはまる数を求めなさい。


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直角三角形の合同条件は正確に覚えておこう

【解説】難度:易しい
(1) △ABB’は二等辺三角形なので, ∠ABB’=∠AB’B=66°
よって、∠BAB’=48°・・・(答)

(2) (証明)
△ADB と △AEC について
仮定より
AB = AC ・・・①
∠ADB = ∠AEC = 90° ・・・②
△ABCは直角二等辺三角形より
∠ABC = ∠ACB・・・③
BC と DE は平行により錯角が等しいので
∠BAD = ∠ABC・・・④
∠CAE = ∠ACB・・・⑤
③④⑤より ∠BAD = ∠CAE・・・⑥

①②⑥より, 斜辺と1鋭角がそれぞれ等しい直角三角形なので
△ADB ≡ △AEC (証明終)

(3)
半径AB=3cm, 中心角45°のおうぎ形の面積
\(=3\times 3 \times \pi \times \dfrac{1}{4}=\dfrac{9}{4}\pi\)・・・①

△ABCの面積 \(=3\times 3\times \dfrac{1}{2}=\dfrac{9}{2}\)・・・②

半径BC=\(3\sqrt{2}\) cm, 中心角135°のおうぎ形の面積
\(=3\sqrt{2} \times 3\sqrt{2} \times \pi \times \dfrac{135}{360}\)
\(=\dfrac{27}{4}\pi\)・・・③

①+②+③より求める面積は
\(9\pi +\dfrac{9}{2}\) cm2・・・(答)
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会話文は長いけど問題は簡単だったね